大堀相馬焼 松永窯│大堀相馬焼

継承する伝統と新しい風

 

福島県浪江町に伝わる大堀相馬焼は、300年余の歴史を誇る伝統的工芸品です。二重焼き、貫入(ひび割れ)、駒絵などの特徴を持ち、大堀地区の窯元たちが代々この技を伝えてきました。

 

大堀相馬焼の特徴

 旧相馬藩の「御神馬」が描かれており、別名「左馬」それは「右に出るものがない」という意味から縁起が良いとして地域では親しまれてきました。 狩野派の筆法といわれる「走り駒」の絵で、相馬藩の御神馬を熟練された筆使いで手描きされています。

 

 

 焼いたときの陶器の表面に繊細な音を伴って細かい亀裂が入ります。 これを貫入と呼びます。大堀相馬焼は、この貫入によって「青ひび」の地模様が器全体に刻まれます。

 

 

 「二重焼」という構造です。入れたお湯が冷めにくく、また熱い湯を入れても持つことが出来ます。 この技法は大堀相馬焼にしかない、珍しい技法です。 元々、大堀相馬焼は生活に溶けこんだ陶器であり、使いやすいように創意工夫を重ね、このような技法になりました。

 

 

 

2011年の東日本大震災と原発事故のため浪江は全町避難に。当時20軒以上あった窯元も職人たちもみな土地を追われ、バラバラに避難を余儀なくされました。


それでも窯元たちは伝統の灯を絶やさない努力を続け、これまでに約半数が避難先で工房を再建し、作陶を継続しています。

松永窯では現在3代目となる松永和生が作陶し、
大堀相馬焼の特徴を活かしつつ、他の伝統工芸やデザイナーとコラボした新商品を生み出すなど、伝統を守りつつ新たな挑戦を続けています。

 

大堀相馬焼 松永窯(浪江町)  
※現在は西郷村に工房があります